女性の冷え性と体調への影響
なぜ冷え性は女性に多くあらわれるのか。
女性ならではの冷え性の原因と、冷え性によって引き起こされる体調不良を解説しています。
冷え性が女性に多い理由
なぜ女性に冷え症が多いのか
冷え症と言うと、女性の方が悩んでいる人が多いイメージがあると思います。
実際に男女比は1:5と言われており、冷え症で悩んでいる人の数は男性に比べて女性の方が圧倒的に多いのです。
これには、体が冷えやすい女性特有の理由があります。
女性器(子宮や卵巣など)がある
女性は妊娠・出産のために、必ず生理が訪れます。
熱は血液が全身に運んでいますが、生理では体内の血液が多量に奪われるため、体内の熱の量が下がってしまい冷えやすくなります。
生理の時には腹部の血流が滞りやすくなるため、更に冷えを助長してしまうのです。
また、血液量が減ると体の酸素の量が減ってしまいます。
そうすると消化器が働きにくくなり、食べ物が分解されづらくなってしまうため、体のエネルギーや熱が作られづらくなるのです。
脂肪が多く、筋肉量が少ない
体は筋肉が伸縮することで、熱を作っています。
女性の体は男性に比べて筋肉が付きにくい構造になっているので、女性の方が筋肉量が少ないのです。
そのため、男性よりも熱が作りにくい環境であり、冷え症になりやすいのです。
また、女性は体を保護するために、男性よりも脂肪が付きやすくなっています。
この脂肪は一度冷えると温めるのに時間がかかってしまうため、体が冷えやすいのです。
女性ホルモン
体温調節などを行う自律神経は脳の視床下部という部分で司っていますが、同じ場所で女性ホルモンの分泌もコントロールしています。
生理や妊娠、出産、閉経などの女性特有の体の変化がある時に、女性ホルモンのバランスは大きく変動します。
この変動の時に女性はホルモンバランスを崩しやすく、同時に視床下部は自律神経も調節しているのでそこにも悪影響を及ぼしてしまい、体の冷えが起こってしまいます。
トレンドの服
最近の女性はトレンドの風潮もあり、タイトなデザインの服を着ることが多くなりました。
タイトな服は体のラインが綺麗に見える反面、体を締め付けてしまうことにもなっています。
体が締め付けられることにより血管を圧迫し、血流が悪くなるため、冷えを起こしやすくなっているのです。
また、ショートパンツやミニスカートなど肌の露出が多い服装は外気温の影響を直接受けやすく、また保温効果も低いため、さらに冷えを助長してしまうのです。
冷え性の体温と免疫力への影響
体温に伴う免疫力の低下
免疫力とは、体を守るシステムの力のことです。
外から入ってきた菌やウイルスなどと戦い、体を守る機能を免疫と言います。
外には沢山の菌やウイルスが浮遊していますが、私たちはいつも風邪をひいたり体調を崩しているわけではありません。
これは、体内の免疫が働いて、体に悪い影響を与える前に退治
してくれるからなのです。
冷え性で体温が1度下がると、免疫力は30%も下がる!
人間の体温は36.5~37℃が適温だと言われています。
実は、これを下回ってしまうと、免疫力が下がってしまうのです。
体温が下がると、自律神経が崩れてしまいます。
自律神経は交感神経(活動モード)と副交感神経(リラックスモード)とに分かれていますが、このコントロールが上手くいかずに交感神経ばかりが働いてしまうと、免疫の中心として働くリンパ球の割合が少なくなってしまい、免疫力の低下につながるのです。
免疫力が下がると風邪などの病気にかかりやすくなってしまうため、体の冷えを改善し、健康でいられるような身体作りが必要なのです。
冷え症からくる体調不良
様々な要因の引き金となる冷え性
冷え症は症状が辛いだけでなく、体が冷えることで様々な支障をきたします。
- 首や肩のこり
- 腰痛
- 腹痛
- 生理痛
- 頭痛
- 下痢・便秘
- 不眠
- 疲労感
- 脱力感
- むくみ
- ほてり
- 顔のたるみ
- 肌荒れ
- 肌の乾燥
- 免疫力の低下
- 太りやすい など
特に女性は、冷えがひどくなることで生理痛を悪化させてしまいます。
また、肌のターンオーバー(新陳代謝)が上手くできないと悪いものが溜まったままになり、肌荒れやたるみを引き起こしてしまいます。
健康・美容両面から見ても、冷えは体の大敵ですから、早めに改善することをお勧めします。